Wednesday, 9 April 2025

和敬塾

暫く前に、石破首相が1年生議員に10万円を配った話が話題になった。旧安倍派の裏金問題であれだけ叩かれた後だっただけに、その政治感覚が疑われた。何より党内でその批判を繰り返してきた先鋒だっただけに、正に「ブルータス、お前もか!」であった。

「信なくば立たず」、政治は信頼があって初めて人は付いてくる。特に公人と言われる人は、その言動に気を付けなくてはならない。思い出したのは、当時文科次官だった前川喜平氏である。随分前だが、歌舞伎町の出会い系バーに頻繁に出入りし、社会的に大きな話題になった。

ご本人は「若い貧困女性の調査」とか訳の分からない事を言っていた。ただ教育行政を司るトップが、毎夜そんな処に通っていたと想像しただけでゾッとした。法的には問題なかったとはいえ、子供や青少年も含め、教育現場に与えた影響は計り知れなかった。

そんな事を思い出したきっかけは、ご縁あって訪れた文京区の和敬塾であった。実業家の前川喜作氏(喜平氏の祖父)が、細川家から譲り受けた敷地に作った寮である。今では400人ほどの学生が寄宿していた。行き交う学生は訪問者に必ず挨拶する、古き伝統は今でも守られていて気持ちよかった。

庭の真ん中に氏の銅像が建っていた。入塾は東大に入るより難しかったと言われる。その学生らを見下ろしながら、孫の汚名に嘸かし苦い思いをしたのではと、思いを馳せたのである。

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