ある人が「大谷選手は修行僧のようだ」と語っていた。野球に対する集中力は半端でなく、例えばパスタに塩だけ掛けて食べる食の管理や、観光とも全く無縁である。その徹底振りに改めて驚かされるが、彼は極めて自然にやっている。
処でその修行だが、昨年旅したギリシャを旅した時、やたらに修道院が多かったのを思い出した。ギリシャは東のイスラム国と西のキリスト教国に挟まれ、長年その不安定な地政から、逃れてきた人達が多かったからだ。
ギリシャの国土は起伏が激しいから、場所は人を寄せ付けない岩山が選ばれた。有名なのは北部のテッサリア平原のメテオラ(Meteora)である。今では世界遺産になってる、2000mを超える奇岩を繰り抜いて作った修道院群は圧巻である。正に俗世界から離れ、瞑想に耽るのには絶好の場所に思えた。
アトス半島で島ごと修道院の一角もある。私は行った事がないが、作家の立花隆氏が潜入体験し、その仮修行を「エーゲ、永遠回帰の海」という本にしていた。修行僧に邪念が湧かないように、(女性も乗せた)観光船は半島から距離を置いて運航するのが義務付けられているそうだ。
修行が厳しい分その反動も大きい。ギリシャの土産物屋に行くと、実物大の男根の形をした色とりどりのキーホルダーを売っていた。初めて見た時はビックリしたが、山から下りてきた僧侶の本能が爆発したのかも知れない。
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