まず住居である。自分の家に帰ると、知らない人が住んでいる。50年も空けていると、占拠した方も殆ど自分の家だと思っている。特に世代が代わると、不法占拠してのは親の世代で、当事者意識がないから困ったものである。それが混乱に拍車をかけるのである。
2番目は仕事である。仕事に就くには前政権派を追い出さねばならない。これから熾烈なポスト争いが始まるのだろう。
バルト三国の場合は、公職に就くのにローカル語を条件に変更した。だからロシア語しか出来ないロシア人は、自ずと排除されたので分かり易かった。今回の場合、どうやって線引きをするのだろう。
3番目は追い出される側である。アサド一家は運よく亡命できたが、一般の人はそうは行かない。今度は自分たちが難民になる番である。パスポートの更新が出来ないと無国籍者になってしまう。実際バルト三国(特にラトビア)には、ネーションレスと呼ばれるロシア人が沢山いる。国を出る事も出来ず、ブラブラした生活に入るので、治安悪化の原因にもなる。
そして報復もあるだろうし、何より可哀そうなのはそこで生まれた二世三世である。親の世代は兎も角、自分達には責任がないのに非体制派になってしまうのが運命である。
日本も戦争に負けて、多くの兵士が国に引き揚げた。ただ帰ってみたら、「自分の家に他人が住んでいた」なんて事はなかった。改めてその国柄に感謝するのであるが、中東は本当に大変だ。
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