熊は今まで「パディントン」や「くまのプーさん」のイメージがあるから可愛い対象だった。顔も我が家の愛犬に何処となく似ているから尚更である。
しかし吉村昭氏の「熊嵐」など読むと、現実に引き戻される。クマと人間の闘いは壮絶で、例えば人家を襲ったクマが食べるのはボリューム感がない子供より大人、それも女だという。射殺後に胃を切り裂くと、中から消化しきれなかったヒトの髪の毛や着物の切れ端が出て来るから怖い。
因みに熊の肝は貴重品だったらしい。便秘や高血圧に効くと、熊を仕留めたハンターが持ち帰る習わしがあったそうだ。確かに今でも「熊膻圓(くまたんえん)」という薬が売られていた。ただ価格は普通だった。今時、胃腸薬で使う人も少なくなったのだろう。
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