Tuesday 6 August 2024

糸に針を通す国

旅をしていると地元の人の善意に助けられる事が多い。特に駐車のチケットの買い方が難しい。場所によって払い方も違うので都度地元の人に聞いて凌いだ。

特にTrapaniのタクシーの運転手さんには世話になった。小銭がないと分かると、近くの自販機まで連れて行ってくれ、パーキングスペースも空きが出ると仕事そっちのけで確保してくれたり、本当に助かった。

片言の日本を話す親日家も多かった。Aci Ciclopi遺跡の管理人は、此方が日本人だと分かると、「谷崎、川端、一茶、芭蕉・・・」と文人の名前を連発した。日本の寺で修行でもしたのだろうか?その日本の神秘に魅せられたようだった。

彼は静かに手を合わせ、息を吐く仕草をした。欧米人は一般的にビックリしたり感動した時に息を吸う。日本人は逆に吐くから、その違いに異文化を感じたのかも知れない。 

 そう言えばRafcadio Hearn (小泉八雲)も、日本の女が針に糸を通す仕草に驚いていた。欧米では糸に針を通すからだった。

彼は本質を射る流れも、欧米では外から内へ進むのに対し、日本人は内から外に拡散するなど、話し方を通じて違いを発見した。鋸は日本式が引いて切るのに対し、欧米式は押して切る話は有名だ。東西文化の違いは奥深い。

勿論悪い輩もいた。ホテルに泊まると市税が5%程が掛かり、ホテル代と一緒にカード決済する。

処がとあるホテルのマネージャーは3倍ほどを、それもキャッシュで吹っ掛けて来た。此方が「そんなに高いの?」と言うと、2倍に下げてきた。しかしそれでも訝っているとやっと正規にした。彼の小遣い稼ぎだったようが、こういう事があると旅が不快になる。

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