Sunday, 4 August 2024

シシリーワインと海産料理

地中海に囲まれたシシリー島は食の宝庫である。取り分け海産類は豊かである。タコやイカのフライ、白身魚やエビのマリネなど、レモンをたっぷり掛けて食べる。勿論パスタやピザは本場だけあって何処に行っても美味しかった。

個人的には牛肉の入ったスパゲティボロネーが好きである。以前クロアチアやルーマニアを旅した時、昼は殆どこれに絞って食べ続けた。人から「よくそんなに飽きずに続くもんだね!」と冷やかされるが、当たり外れがなく国によって味の違いを楽しむのも悪くない。 

 食事に欠かせないのがワインとビールである。炎天下に汗だくになって遺跡を歩き、宿に帰ってシャワーを浴びて飲むビールは最高である。しかも行く先々で出て来るローカルビールは、旅の気分を一層高めてくれる。イタリア本土の玄関口にメッシーナという町があるが、町の名前を冠した黄色いラベルの地ビールや、遺跡のアグリジェント近くで作られたSeme doratoは記憶に残る一杯になった。 

 ワインも同じである。シシリーはワインの産地で、イタリア全体の17%程を作っている。岩山にオリーブやレモンの畑と並んで、こじんまりしたブドウ畑が続いている。その小規模多品種が何ともいい。

カターニャ郊外の海辺のレストランで、ワインリストを見て、店の主人に「地元のシシリーワインが飲みたいのだけど」と聞いてみた。すると「何言っているの?これ全部シシリー産だよ!」と言われて驚いた。その数は30〜40種類もあっただろうか、何気ない店なのに、シシリーの奥深さを実感したのであった。

 因みにシシリーワインの味は普通である。何故か白が赤に比べて多い。ギリシャワインがバルカン半島に有り勝ちな泥臭く甘い田舎風なのに対し、カラッとしている。

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