思い出すのはマレーシアの新都市、プトラジャヤ(Putrajaya)とサイバージャヤ(Ciberjaya)である。プトラジャヤは行政の町、サイバージャヤはIT企業が集まる町である。20年程前に出来たばかりの町を見学した事があったが、どちらも殺風景な箱もので、加えて何とも言えな巨大なイスラム建築が少々気味悪かった。
率直に「こんな所に人が住むのだろうか?」と思った。東南アジアというと、ゴチャゴチャして人間臭いのが特徴である。密集した路地裏を三輪バイクが所狭しと走る、屋台やマッサージ店には人で溢れ、暑いからダラダラして、そんな凝縮文化が生命の源になっているからだ。
ただ時間が経てば次第に、新旧のバランスも整うのかも知れない。いい例がオーストラリアのキャンベラやアメリカのワシントンDCである。特にワシントンDCは郊外に続く電車のアクセスもいいし、その先には緑に囲まれた住宅地やショッピング街が見事である。
インドネシアは最初に行った東南アジアの国であった。当時は冷房がなかったし、宿泊場所では給仕が部屋まできて調理していた。移動はもっぱらべチャ(自転車タクシー)、勿論水でお腹をやられた。ただその親日的な国民性に一度で好きになってしまい、一時はここに骨を埋めてもいいと思った事もあった。あれから50年、懐かしさもあって気になっている。
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