中でも感動的だったのはトラック競技場である。一周300m程だろうか、トラックの真ん中に下りてスタンドを見上げると、「テルマエ・ロマエ」の映画に出て来るような歓声が聞こえてきた。
古代オリンピックは紀元前776年から西暦393年まで、4年ごとに1200年の永きに渡りこの地で開催されたというから驚きである。オリンピックの起源は戦火、疫病を逃れた人々の健康を志向したようだ。そう言えば、Epidavrosというやはりミシュラン3つ星の遺跡には、今でも使える野外劇場があり、これも病んだ人々の精神回復が目的だったという。当時のギリシャ人は、今にも増して健全な社会を追求していた。
処でマラソンの起源になったアテネ郊外のマラソナス(Marathonas)にも足を運んだ。BC490年にペルシャ軍に勝利した報告を、一人の兵士が42㎞を走ったのが由来だった。マラソンとはその兵士の名前かと思いきや、戦場となった町の名前だった。
因みにその町にあるマラソン博物館には、歴代の優勝者の写真と靴が飾ってあった。Qちゃんや野口みずき、円谷選手や有森さんも含めて、日本人ランナーに取り分け多くのスペースを割いていたのが印象的だった。
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