Tuesday, 23 July 2024

Lafcadio Hearnの生地

ギリシャ人で思い出すのはマリア・カラスとJFKのジャクリーヌ夫人、最近ではテニスのチチパスぐらいである。処がガイドブックには、ラフカディオ・ハーン(Patrick Lafcadio Hearn)こと小泉八雲が出てくる。折角なので、彼の名前の由来にもなった生地レフカダ(Lefkada)島を訪れてみた。

ギリシャの北西に位置するこの島は、90度回転する移動式の桟橋と、モンサンミシェルのような土手道(Causeway)を通って入った。途中大型ヨットが通過するのを待つ事10分、島の玄関口に彼の胸像が建っていた。

 ハーンは英国陸軍の軍医の子供として1850年にこの地で生まれた。アメリカのジャーナリストとして来日したのが1890年、40歳の時だった。以来松江を皮切りに早稲田、東大などの教師を務め54歳で没した。日本人の妻(節子)を娶り、その彼女をヒロインにしたNHK連続小説「ばけばけ」が来年放映されるというので楽しみだ。

 帰ってから早速彼の作品をいくつか読んでみた。来日当初の「日本瞥見記(Glimpses of Unfamiliar Japan)には、人力車から眺めた風景を、「東洋の額縁の中に西洋(ミシン屋や写真館)が入っている。全てがミニュチュアの世界だ!」と興味深い表現で語っていた。また有名な「怪談」や「骨董」など、多分妻から聞いた話なのだろうか?日本の怨霊や霊魂に強い関心があった事も伺えた。

また面白かったのは、距離をマイル、重さをポンド表記していた事だった。内容は全く日本で訳も素晴らしかったが、これだけはどうしようもなかったようだ。

時を経て、異国への旅を通じて、古き幕末の日本と日本人を垣間見るきっかけにもなった。不思議な気分である。島から北に車を走らせると、夏のこの季節、ビーチは多くの海水浴の人でごった返していた。

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