Saturday, 11 May 2024

東日本大震災の犬縁

昨日は愛犬レオの命日だった。早いもので3年が過ぎた。暫く前から食が細くなっていたが、最後は眠るように逝ってしまった。寡黙な犬だったが、最後も彼らしかった。

レオは東日本大震災の翌年に福島県で生まれた。ただ「福島の犬は汚染されている」の風評で、誰も引取る人はいなかった。そこで全国のブリーダー仲間が協力して、何とか一命を取り留めたのであった。その一匹が縁あって我が家に来た。普通は40〜50万円のゴールデンだが、その時はタダ同然だった。

レオは近所でも人気者だった。いつも垣根越しに黄色い足を出していると、通り掛かりの人の目に付くのを知っていた。子供も大人も「あら可愛い!」と頭を撫でてくれた。ある日散歩していると若い女性が寄って来た。彼女は子供の頃からレオを知っていたらしく、「この子私の思い出なのです!」と言う。何か悲しい事があった時の話し相手だった事も分かり、その地域貢献が誇らしかった。 

レオが死んでから暫く空しい日が続いた。「また会いたいな!」の思いは日増しに強くなった。そんなある日、まだ血統証明書が残っている事に気付き、福島のブリーダーに連絡してみる事にした。事情を話すと、近々また子犬が産まれるという。早速「是非我が家にお願いします」と予約すると、一カ月して「産まれました!」と電話が掛かって来た。あの時は嬉しかった。

それから2カ月して福島まで子犬を取りに行った。レオの甥にあたる犬で顔もそっくりだし、気性も優しい犬だった。あれから3年が経つからそろそろ3歳になる。東日本大震災が生んだ不思議な縁だが、お蔭でペットロスにもならずに済んでいる。

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