一方で株価は昨年来好調だ。資産的にはプラスマイナスプラスの人が多いのも事実だ。若い人もNISAで少なからず潤っている。
1ドル160円は1986年の為替水準である。1986年といえば、自民党が中曽根内閣が衆参同時選挙で快勝したり、瀬古がロンドンマラソンで優勝した年であった。北島三郎の「北酒場」やテレサテンの「時の流れに身を任せ」が流行ったり、海外ではチュルノブイリ原発で事故も起きた。日本ではこの年からバブルが始まり、当時15000円だった日経平均は3年後に4万円近くまで上がり続けた。
ボーナスも良かったので、会社が終わるとよく仲間とタクシーで六本木に飲みに行った。長プラが7%と高かったにも拘わらず家を建てる人も多かった。ただワインや輸入品は今ほど出回っていなかった気がする。今の日本人は知らぬ間に安価な輸入品文化に浸っているので、物価の高騰感はその反動かも知れない。
因みに前の年の1985年の為替は200円だった。時代が逆戻りするのなら、強ちあり得ないとも言えない。これからはワインやウィスキーから日本酒に、洋食は和食に、海外旅行も生涯一度に、当時を思い出して生活習慣を変えていくしかない。