Saturday, 2 March 2024

真綿のウクライナ避難民

ウクライナが侵略され2年が経つ。最初の頃は毎日伝えられる戦況に戦々恐々としていた。ただ最近では長引く戦争に、戦争疲れというか厭世気分が漂っている。アメリカの支援予算は滞ってきたし、最大の避難民受け入れ国であるポーランドで、国境を閉めたと聞くと猶更である。

以前から気になっていたが、遠く離れた日本にいると今一ピンと来ないもの事実である。ウクライナに行った事もないし、ウクライナ人とも話したことがないのも大きい。これでは遺憾と、三鷹にウクライナ避難民がやっているカフェがあると知って行ってみた。

それは昨年開業したという小さなレストラン&キャフェだった。入るといかにも素人と思われるウクライナ女性が2人で切り盛りしていた。メニューはハッシュドポテトに似たジャガイモや、豆腐ハンバーグのような郷土料理で軽食だった。

ワインも店に置いてあったのは数本で、ボトルで頼むとあまりそういう客はいないらしく驚かれた。 壁にウクライナの地図が掛かっていて、「あっ!ここがドネツク州、ここがワインのオデッサ!」と、日頃のニュースの世界と重ね合わせた。

日本へのウクライナ避難民は2000人強という。国に夫や家族を残して女手ひとつでこうして自活するのは大変だ。飲食業だから中には変な客もいるかも知れない。そんな心配を他所に、片言の日本語で頑張っていた彼女たちの姿が正に真綿に包まれていた。

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