一方、南半球のオーストラリアは冷夏である。毎年35度になる日が多いが、今年はブリスベンでも1月から2月は30度に届くかどうか、それに加えてやたらに雨の日が多い。ゴールド・コーストの年間の雨日は30日程度と言われているので、正に異常気象である。地球の軸の傾きでも変わったのだろうか?と勘繰ってしまう。
そのオーストラリアだが、治安はいいし人々も温和である。見知らぬ人同士の目が合えば、必ずにニコッとして挨拶を交わす。一番顕著なのは車の運転マナーである。制限速度は驚くほどきちっと守り、割り込みや無理な追い越しも殆どない。病院は無料だし、大きな家に住んでタダみたいなゴルフをすれば、ストレスなんて出る余地はないのだろう。
そんなおおらかな国民性は、広大な国土と移民の過去と深い関係がある気がする。それを象徴するのが、「19 Crimes (19人の犯罪者)」というワインである。受刑者の顔写真が付いたワインの説明書には、「この国を築いた彼らはパイオニア」として称えてある。当時の移民法では大航海を経て辿り着けば、例え死刑囚でも減刑され堅気の人になったのだった。
このワインは安い割には味もしっかりしていて美味しかった。尤もこの話を飛行機で隣合わせたオーストラリア人に話すとあまりいい顔はしていなかった。面白い話も相手を選ばないと失敗する。
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