Sunday, 24 December 2023

ジョゼフィーヌとデュマ

最新の映画「ナポレオン」を観に行った。ナポレオンはヨーロッパ近代史の象徴だけに、見終わってからもあれこれ考えさせられた。4回に分けて綴ってみたい。

 映画の半分は最初の妻ジョゼフィーヌとの関係に割いていた。そのジョゼフィーヌはカリブ海の仏領マルティニーク島の貴族の娘であった。映画にも黒人議員が出ていたが、当時から海外県の人達がフランス本国に深く関与していたのが分かった。

思い出したのはアレクサンダー・デュマの父親である。彼はサン・ドマング(現ハイチ)の統治に活躍したローカルの将軍だった。昔読んだ「黒い将軍」という本にその生涯が書かれていたが、そう言えばデュマの顔立ちは生粋の白人ではなかった。「モンテクリスト伯」に出て来る財宝の隠し場所もカリブ風だった。 

 余談だが、2017年にフランスの人気ロック歌手のジョニー・アルディーが死んだ時、お墓をカリブ海の仏領サン・バルテルミー島に作った。風光明媚な場所でフランス人が静かに眠れるのか、以来気になっている。 

 ジョゼフィーヌに話を戻すと、ナポレオンとの熱愛関係はやや違和感があった。というのも、一般的には彼女は歴史の脇役と思われていたからだ。ナポレオンには生涯3人の子供がいた。一人は二番目の奥さんマリー・テレーズの子供だったが、後二人は2人の愛人との間に生まれた。他にも女性関係は多かったようだし、こうした演出が英国的と批判される所以なのかも知れない。

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