その対戦相手はスロベニアであった。人口200万人の小さな国だが、旅をして感じたのは地理的なユニークさであった。
スロベニアはイタリアとオーストリアに国境を接している。ユーゴスラビアが解体した時、最初に独立出来たのがスロベニアだった。
理由はイタリアからアメリカ軍が入って来て、独立の支援を受けるのに成功したのであった。コソボなどは未だに内戦が続いている場所もあるがこれは大きかった。旧ユーゴの中でGDPが一番高いのもその為である。
ただその反対もあった。戦後に鉄のカーテンが下りた時、国境の町では市内が分断されるなどの事態が起きた。今でもその跡が残っていたが、南北朝鮮のように家族も離ればなれになってしまった。
また第一次大戦の頃は、イタリア軍とオーストリア・ハンガリー軍が対峙した舞台になった。ヘミングウェーの「武器よさらば」に出てくる山岳地帯は今のスロベニアである。ゲーリー・クーパー演じるアメリカ人兵士はイタリア側で参戦するが、最後は恋する看護婦の元に逃亡する。行先はスイスだった。北の国境を越えオーストリア経由で向かったのだった。
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