「80日間世界一周」で有名なジュール・ベルンは、見た事もないアフリカで立派な探検記を残している。「サハラ砂漠の秘密(L`Etonnante Aventure de la Mission Barsac)は、象牙海岸の奥地を3000㎞旅する小説である。兄の不信な死の汚名を晴らす妹の高貴さと、フランスが19世紀にアフリカに影響力を持っていた様子がうまくマッチしていた。
同じくジュール・ベルンの中国を舞台にした「必死の逃亡者(Les Triburation D‘un Chinoies en Chine)」もあった。主人公の中国人には父親が残した莫大な財産があった。彼の父親は、開拓史の時代にサンフランシスコで死骸信用金庫の理事長をやっていたからだ。当時は大陸横断鉄道建設に多くの中国人が使われていて、彼らは死ぬと中国に送り返された。その運搬船を「死骸船」と呼び、父親はその事業で莫大な財を築いたのであった。
ただここまで来ると、どこまで本当の話なのか流石に疑わしい。一方でどちらも一度も行った事がないのによく書けると感心してしまう。流石SF小説の元祖であった。
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