今回のマウイ島の火災ではそのカアナパリを含め、綺麗な商店街が続くラハイナなどが殆ど消滅したという。既に50人以上の人も命を落としたらしい。地中海のストロンボリ島で、住民が船で海上に避難する光景を思い出したが、火の手が早く間に合わなかったのだろうか。
火事に遭うと家や家財、場合によっては命も失う。かく言う私も引っ越し荷物が全焼した事があった。引っ越しが終わりホテルで過ごしていると、日通から電話があり「放火で倉庫が全焼してしまいました!」という。一瞬何の事だが分からず茫然とした。
家財が焼けて困ったのは、過去の記憶が希薄になる事だった。その時初めてヒトの思い出が写真や土産物といったモノに紐付けられている事を知った。モノが無くなると記憶が曖昧になり、場合によっては過去が消えてしまうのである。いい例が戦争である。ポーランドや韓国のような大国の狭間にあって焼失が大きかった国は、歴史のアイデンティティーが希薄になるのはその為の気がしている。
マウイ島の悲劇はそう簡単に忘れられるものではないだろうが、島がなくなった訳ではない。ブーゲンビリアとハイビスカスの香りに囲まれたハワイである。逞しいアメリカ人の事だから、きっと又再建してくれることを願っている。
No comments:
Post a Comment