彼の本は昔一度だけちょっと齧った事があった。ただ数頁進む内に「これって俺のジャンルじゃないな!」と思って止めた。以来あえて避けていたが、「早稲田でも支持されているなら、今更だけど読んでみるか?」という気になった。
実はそこがポイントで、友人は「その文章を味わうのが面白んだよ!」と窘められた。世間で評価されているのはその禅問答で、もどかしさがいいらしい。
話はちょっとズレるが、日本の人口は1億人以上、GDPも世界三位と内需が大きいからあえて海外に出て行かなくても食べていける。若い人はそれに敏感で、だからどうしても内向きになって行く。村上作品はその層を上手く掴んでいる気がする。だけど登場人物の男も女も全く生気がない。特にしばしば出て来る性的描写は、極めて動物的で不快なのはどうしてなのだろう?
村上作品のタイトルは、ノルウェー、カフカ、レキシントンなど外国をモチーフにしているのが多い。1Q84に至ってはジョージ・オーエルとは全く関係ない女殺人者の話である。海外の人から見るとその辺の違和感がないのだろうか?
中々ノーベル賞に辿り着かない訳も何かあるのかも知れない。それにしても早稲田と云うと昔は硬派の塊みたいな人が多かったが、最近は随分と変わってしまった。
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