Pubの話
Monday, 5 June 2023
2022年のエドガー賞
昨年度のアメリカミステリー作家賞(エドガー賞)に選ばれたジェイムズ・ケストレルの「真珠湾の冬(Five Decembers)」は大変面白い小説だ。
物語はホノルルの刑事が太平洋戦争に前後して殺人事件を追う話である。舞台はハワイから香港、日本へと移り、主人公も時代に翻弄されながら、最後は本懐を全うするのであった。
日本人として親しみを感じるのは、彼は戦時中の4年間を東京で保護され生き延びた事だった。本当に当時そんな事が出来たのだろうか?と思う節もあるが、流れが自然なので許してしまう。昔何かの本で、東京にいたアメリカ人捕虜がB29の落とす爆弾を見上げていた話を思い出した。
戦争が終わると横浜からミズーリで帰国する件や、野沢温泉まで旧知の女性を慕って行くシーンは、何とも当時を彷彿とさせノスタルジックであった。勿論主人公の真摯な女性関係が、作品をよりウェットにしたのは言うまでも無い。
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