私は子供頃、短い期間だが広島に住んでいた。当時はその「人影の石」はまだ爆心地のままの場所にあった。それは住友銀行広島支店の玄関に座っていた人が、原爆の閃光で影の部分だけ直射を免れたものだった。子供心にも強烈なショックを受けた記憶がある。今では資料館に移設されたと知り、改めて当時の事を思い返した。
日本で戦争の記憶をオフィシャルに残しているのは、この広島と靖国神社の遊就館ぐらいではないだろうか。これも国民性なのか、憲法改正にみる歴史観もそうだが、戦争をタブー視しているからその痕跡が殆ど残していない。これは本当に残念である。
逆に海外を廻ると、沢山の日本の遺留品に出逢うから驚いてしまう。特にアメリカの持ち帰り品の多さは凄い。ワシントンDCのスミソニアン博物館、サウスカロライナの海兵隊記念館やテキサスの太平洋戦争記念館など、オーストラリアの首都にある戦争博物館やシンガポールも多い。正に外から見ると日本が見えて来るのだが、今からでも遅くないので歴史の収集をして欲しいと願う。
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