Tuesday, 11 April 2023

snuff film

シドニー・シェルダンの小説Bloodlineに、「snuff film」という言葉が出て来る。街で声を掛けて少女をリクルートしてポルノ映画に出演させ、恍惚が絶頂に達した時に喉を締める映画であった。snuffは蝋燭をフッと消す意味なので殺人娯楽映画である。

正に犯罪を見世物にした作品で、撮る方もそうだが観る方も気色悪い事この上ない。悪趣味も度を越していて一般感覚では理解出来ないが、それを趣味にする闇世界があるというから驚きである。物語では映画製作のカネがファミリーの犯人から流れていた。

 ヨーロッパにはこうして闇に消えていく身元不明の少女が多いという話は昔から聞く。背景にあるのは貧困と治安の悪さである。思い出すのは「ドラゴンタトゥーの女」である。舞台はスウェーデンのストックホルム、主人公のリスベットが殺人鬼を追い詰めると、餌食になった若い女性が浮かび上がってきた。

映画「ゴッドファーザー」でも政敵を追い詰める時に使われていた。政敵は目が覚めると、隣に血だらけで死んでいる女が横たわっていた。仕組んだマフィアは「この女には身寄りもいないから、黙っていれば秘密に出来る」と貸を作るのであった。

 華やかな表通りから一歩裏路地に入ると、ひと気のない暗い石畳が夜露に濡れて鈍い光を放っている。そんな光景を思い出した。

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