ヨーロッパにはこうして闇に消えていく身元不明の少女が多いという話は昔から聞く。背景にあるのは貧困と治安の悪さである。思い出すのは「ドラゴンタトゥーの女」である。舞台はスウェーデンのストックホルム、主人公のリスベットが殺人鬼を追い詰めると、餌食になった若い女性が浮かび上がってきた。
映画「ゴッドファーザー」でも政敵を追い詰める時に使われていた。政敵は目が覚めると、隣に血だらけで死んでいる女が横たわっていた。仕組んだマフィアは「この女には身寄りもいないから、黙っていれば秘密に出来る」と貸を作るのであった。
華やかな表通りから一歩裏路地に入ると、ひと気のない暗い石畳が夜露に濡れて鈍い光を放っている。そんな光景を思い出した。
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