先日大分で、母親が小学一年生の自分の娘を殺害したが、心身喪失で不起訴になったというニュースがあった。詳しいことは分からないが、何時もこの精神鑑定には疑問を持っていて釈然しない思いがある。
そんな矢先、シドニー・シェルダンの「Tell Me Your Dreams」を読むと、少しその気持ちも揺らいだ。
物語は西海岸に住む若い女性が3人の男を殺害した処から始まる。犯行は男の局部を切断する凶悪さがあった。調査を進めていく内に、犯人の女性は多重人格障害である事が判明した。普段は普通の女性だが、男性とベットに入ると突然人が変わり凶悪になるのであった。
その原因を探ってみると、子供の頃に父親から受けた性的被害が原因だと分かった。いざという時になると父親がトラウマになって現れるので、もう1人の自分が発狂してしまうのであった。
予想に反して裁判では無罪になり、精神病院で治療を受けると蘇生して行った。タイトルの返事は「普通の人になりたい!」だった。その切なる思いに少なからず同情してしまった。
小説の巧みな展開にすっかり魅了されてしまったが、だからと言って犯行の事実は無くなる訳ではない。犯人が年配の女性だったらここまで寄り添う気持ちにもなれない。相変わらず複雑な気持ちだけが残った。
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