Saturday, 4 March 2023

少子化のメリット

昨年初めて出生者が80万人を割ったと話題になっている。政府も少子化は危機的状況になったという。ただ何を今更というのが実感だ。こんな事は随分前から分かっていた。 

 あれは確か2003年だったか、出生者と死亡者の数が逆転した時だった。その頃、日本の人口は20年で1000万人減少すると言われた。年にすると平均50万人である。50万人と言うと松山市や宇都宮市の人口に匹敵するから、毎年中堅都市が一つ一つ消えていくイメージだ。

最初は緩やかだった減少幅が昨年は79万人になった。これからが正念場だ。特に地方は大変だろう。都心に住んでいても新しい家への建て替えが急に増えているので良く分かる。年寄りが死んで家が売りに出され、代わりに若い人が入って来ている。

 それに対しアメリカは毎年200万人、オーストラリアは50万人の人口が増えている。200万人というと名古屋市の人口に匹敵するから大変な数である。それを支えているのは勿論移民である。オーストラリアは嘗て白豪主義を取っていたが、今では3割ほどがアジアなどの非白人になっている。取り分け中国系が多いのが目に付く。

今の現状が続けば「日本と言う国が無くなってしまう」という議論がある。確かに計算上はそうだが、家は広くなるし交通渋滞も緩和されるだろう。そもそも江戸時代は3000万人だった事を思うと、その揺り戻しがあってもおかしくない。その内必ず移民受け入れの話が出て来るだろうが、これにはあまり賛成できない。少子化のメリットをもっと考えたらどうだろう。

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