Friday, 3 March 2023

犬笛

競馬好きの人が読むと面白いと思ったのが、ディック・フランシスの競馬シリーズである。その一冊が「For Kicks(日本版は興奮)」である。物語はイギリス競馬会で穴馬が優勝する番狂わせが続いた処から始まる。当然薬物などの調査が入ったがその痕跡が掴めなかった。ただ調べて行くうちに意外なカラクリに辿り着くのであった。

それは「犬笛」であった。馬は火を恐れる習性がある。その心理を利用して厩舎で火炎放射器で火を見せ、その瞬間に犬笛を吹くのであった。その記憶を使って、馬が最終コーナーに差し掛かった時、ジョッキーは笛を吹くと馬は狂わんばかりに猛ダッシュする仕掛けだった。

作者は元全英のチャンピオンジョッキーだった。日本の武豊も文筆家になったら、結構いい小説が書けるかも知れない。

 処でその「犬笛」だが、どんなものかと取り寄せてみた。吹くとかなり甲高い音が出る。人間の耳にはいる音域はせいぜい20,000Hzだが、犬はその3〜5倍以上の高周波を捕らえるらしい。鼻ばかりかと思っていたら、意外な才能を今更ながら知った。 

早速我が家の愛犬に試してみた。確かに小さな音でも、それは口笛のようにキャッチして反応した。折角なのでこれから暖かくなる事もあり、庭で訓練してみる事にした。

No comments: