暫く前に、イランでヒジャブの被り方を巡って女性が死亡した事件があった。抗議デモは全土に広がり、2万人近くが逮捕されたという。彼女を捕まえたのが道徳警察という。何かジョージ・オーェルの小説「1984」に出て来る思想警察を思い出してしまうが、やはりイスラム社会の怖い一面を垣間見た感じがした。
そんなイラン社会を描いたのが、映画「アルゴ」である。イラン革命の最中、脱出の機会を逃した米国大使館員をCIAが救出する物語である。SF映画の撮影隊に扮した脱出劇は間一髪で成功するが、捕まれば何をされるか分からない恐怖感が伝わってきてハラハラした。
またトルコを舞台にした映画「ミッドナイトエクスプレス」もあった。こちらは麻薬を所持したアメリカ人青年が捕らえられ、長年の刑務所生活を送る実話であった。人生の一番大事な時に、朝から晩までコーランの中で過ごす過酷さは凄かった。
尤もマレーシアのように、死刑を求刑する国もあるからまだいい方かも知れない。
そのマレーシアのクアラルンプール空港で昔、カバンの中に入っていた日本の週刊誌が、検閲で引っかかった事があった。検閲官がパラパラとページを捲ると、女性の水着姿の写真が出て来たのだ。悪気はなかったが、一瞬「これはまずい事になるかも知れない」と構えた。幸い没収され事なきを得たが、甘く考えると危ない。