Sunday, 9 October 2022

サハラ砂漠のロマン

随分前にクライブ・カッススラーに凝った時があった。主役のダーク・ピットは英知に富んでいて、次々と難破船を発見する活躍は爽快だった。その彼の代表作が「Sahara(死のサハラを脱出せよ)」であった。サハラ砂漠の地下水路を使って脱出する迫力満点の物語だった。映画化もされたがこちらは大失敗で、著者は作品を二度と映画にしなかった。

一方サハラ砂漠を舞台に高い評価を得たのが、ハンフリーボガードの「Sahara(サハラ戦車隊)」と「Rommel Calls Cairo(ロンメルの密使)」であった。特に後者はリビアからカイロに入る広大な砂漠走破劇で見所満載だった。サハラ砂漠はアメリカ合衆国並みの広さと言われるが、その大きさが伝わってきた。

そしてやはりサハラ砂漠の横断をテーマにしたのが、例のケンフォレットの新作「Never」であった。それも使われたのは乗り合いバスである。本の中でも一番ハラハラする箇所だが、チャドから移民の女が幼子を連れて、リビアのトリポリを目指す設定であった。

ブローカーに1000ドルを前払いし、ところが2週間して着いたのは砂漠の中の鉱山だった。その時は初めて騙されたと知るのだが、そこは北朝鮮の金鉱山であった。北朝鮮は暗号通貨やハッキングで犯罪やりたい放題だが、こんな所にも資金源があったようだ。 

サハラ砂漠はサンテグジュペリの「星の王子様」の冒頭にも出て来た。行った事がないだけに、聞いただけでついロマンを掻き立てられてしまう。

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