そんな彼は強さへの拘りが大きいという。それは父の失脚で16歳で下放した体験から来ると言う。
最近出た中公新書の熊倉潤氏の「新疆ウイグル自治区」を読んでいたら、父の習仲勲(シューチョンクン)の失脚の話が載っていた。当時ウイグル地区の第二書記だった彼は、遊牧民への過激な鎮圧に慎重で穏健化策を訴えた。そしてそれから10年程経つと文革が始まり、その時の発言が「資本主義の復活」として断罪された。失脚した時は国務院の副経理というからかなりのトップだった。
中国共産党の怖いのは、タンアンという制度である。個人の思想言動を貯め込んだがファイルである。永遠に保管されるので、政局の風が変ると全く反対の意味になってしまう。この習仲勲の場合も、文革という大きなうねりが災いしたようだ。
最近のウイグル自治区で起きている様々の暗いニュースも、まさか父親の名誉回復を意識している訳ではないだろうが、ついそれと結びつけたくもなってしまう。
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