Monday, 4 July 2022

ワシントンDCの秘密

今から3年前にアメリカの東海岸を旅した。ウイリアムバークやゲティスバークなど、建国の歴史に触れたかと思うと、海軍兵学校のアナポリスや世界最大の軍港ノーフォーク、英霊の眠るアーリントン墓地など、近代アメリカの原動力になった聖地も訪れた。

改めてアメリカという国の大きさに圧倒された次第だが、特にワシントンDCのスミソニアン博物館に至っては、膨大な歴史の収集品は凄かった。

全部で19もある博物館などとても廻れる時間も無かったが、世界の歴史が全部集っているようだった。中でも近代美術品や飛行機は面白かった。ルネッサンスや印象派絵画、日本の零戦・紫電改や月光始め、あのエノラ・ゲイも目の前にすると、何十年前の日々が蘇ってくるのであった。 

そのスミソニアン博物館であるが、先日ダン・ブラウンの旧著「ロスト・シンボル」を読んでいたら、展示しているのは全体の2%に過ぎないと書いてあった。残りのお宝は支援センター(SMSC)と呼ぶ機構が管理しているらしい。一体アメリカの富って何なの?と改めて驚かされた次第だ。

「ロスト・シンボル」の物語は、その館長が誘拐される処から始まる。例によってハーバード大のラングドン教授が登場し、謎を解きながら核心に近づく展開である。

今回の舞台はそのワシントンDCであった。一昨年暴徒に襲撃された連邦議事堂も出てきた。あの時は建物が被害に会ったが議員は無事だった。何と地下には議員宿舎まで繋がる議員用の地下鉄で逃げたという。小説では地下の秘密部屋に、フリーメイソンの祈祷の間もあった。

物語の犯人はその儀式の映像を撮ったので、国家機密を危惧したCIAにも追われた。結局読者はどこまで本当でフィクションかなのか分からない。ただ例の1ドル札のデザインが、13段のピラミッド階段、13本の矢、13本のオリーブの枝などが、アメリカ建国13州とは偶然な数合わせなのだろうか、ピラミッドのプロビデンスの目も気になる。大きな力が今の世界を作っているのかも?と、ふと思ってしまう。

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