ブラックの原因は、何と言っても国会対策である。先生方の質疑に待機するのは、霞が関の官僚ばかりでなく、政府系の外郭団体まで含めると大変な数になる。一度待機命令が出ると、いつ鳴るかもしれない電話の番に当たる。夜遅くまで全員が居残り、泊まり込みは若手が担当する。凡そ家庭との両立など出来る訳がない。
もう一つはマスコミ対策である。役所の仕事の殆どは辻褄合わせである。よく「新橋駅前の人100人に聞いたら?」という言葉を耳にする。市民感覚を大事にしつつ、不都合な真実が出て来ると、正当な論理へのすり替える作業が始まる。先のモリカケではないが、そこには担当者の犠牲が伴うのは必至である。ただこの作業を卒なく熟せる様になると、評価が高まるのだが・・・。
更に最近ビックリするのは、若手の人が昔に比べて随分と礼儀正しく言葉使いも丁寧になっている事だ。これも時代の要請なのだろうか、役人と言うと威張って横柄だった時代を知る者にとっては、ちょっとした変化である。ただ問題は、安い給料と権威、威厳のバランスである。人間だから権威と威厳が無ければ、単なる事務屋に成り下がってしまう。文字通りの(シビル)サーバントだが、退職者が増えているのは、このプライドの部分が大きい気がしてならない。
昔から役所は暗く地味なイメージが付き纏う。書類が山積みされた大部屋で、サンダル姿は定番、女性も地味なおばさんタイプが多い。服装にも無頓着で、電車に乗っていると一目で役所の人と分かる独特の雰囲気がある。カラフルな職場に変えたい若手の気持ちもあるが、中々現実はそう簡単には変わらない気がする。
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