Monday, 7 February 2022

ハニートラップの情報戦

ロシアがウクライナとベラルーシ国境に、10万人の軍を集結されているという。もう少しで侵攻の準備が整うという。ただオリンピックの開催期間中である。同盟の中国に配慮して、本当に始まるのはその直後だろうか?素人には知る由もないが、緊迫しているのは確かである。

ただ戦争は既に始まっている気がする。その最たるが情報収集である。例えばスパイである。ウクライナ(ひょっとしてロシア)に入っている米国のCIAや英国のSIS、更に実務のSASなど随分前から活動している。勿論エージェントはロシア語に通じているプロだ。活動場所は例えばモスクワだとすると、米国大使館は当然マークされるから中国大使館のような穴場を隠れ蓑にしているかも知れない。アメリカ生まれの中華系CIAを庭師として送り込めばそのリスクは低い。

またハニートラップもある。こちらはロシア要人の秘書がターゲットになる。中年の生真面なオールドミスに狙いを定め、若い青年が近づいて時間を掛けて堕とす手法である。まず彼女の趣味を調べる。例えば彼女がオペラが好きだったら、何気なくパバロッティやドミンゴの話題を提供して関心を疎そい、最後はワインとベットに持ち込むのであった。そこまで行くと、後は秘書が仕事を語るのは時間の問題であった。 

また農夫に化けたローカルもいる。例えば彼らは駐留しているロシア軍の戦車が、あまりの寒さで暖を取ろうと戦車のバッテリーを外しているのを目撃したとする。暖かい食用の火種や洗濯や夜間の明かりに転用しているのだが、仮に敵が攻めて来たなら役立たずの鉄の塊である。

ロシアの上層部にも、この際西側に恩を売って老後を自由な地で送りたい輩もいる。身を隠して西側のエージェントとパイプを持って情報を流し、対価はスイスの銀行に蓄えようとする隠れスパイである。

一方ロシアも表向きの地上部隊とは別に、西側の知らない秘密兵器を持っているから気を付けなくてはいけない。例えば小型の原子爆弾である。今では鞄で持ち歩き出来る小型のキットもあるようだ。北朝鮮のように長距離ミサイルを飛ばさなくても、簡単に敵地に持ち込める術があると聞く。その起爆をいつどこでどんなタイミングで行うか、ここまで行くと神経戦である。 

以上の話は全てフリデリック・フォーサイスの「神の拳(The Fist Of God)」と「第四の核(The Fourth Protocol)」の受け織である。特に前者は今から30年程前に起きたイラクのクェート侵攻とその後の湾岸戦争を題材していて大変面白い小説である。時代は変われど、きっと同じような事をやっているのだろうと思っている。

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