Monday, 8 November 2021

ヒロヒトコイン

今月から新500円硬貨が流通し始めた。まだ見ていないが、500円玉は古くなると機械が対応しないので気をつけなくては行けない。ある時CDが詰まってしまい、大事になった経験がある。

思い出しのは、昭和天皇在位60周年を記念して発行された10万円金貨である。金の含有量は20gだったので、当時の時価で4万円程度、つまり額面との差額はまるまる財務省に入った計算になる。1100万個を作ったので、政府の利益は6000億円超だったと言うから驚きだ。何か錬金術みたいな感じがして、お祭り事に水を差すような気がした。 

 思えば不思議な図柄もそうだった。天皇の顔があってもいいのにそれがない。60周年と言う節目も不自然で、何故50年では無かったのか?その謎に迫ったのが加治将一の「陰謀の天皇金貨(ヒロヒトコイン)」である。中々面白い小説で、中曽根とレーガンのロンヤス会談が開かれた頃で、その6000億円を必要とした政治情勢も想像力逞しく分析していた。 

中でもプラザ合意で円高になるのを見込んで金貨をドルで買い、2年後に売却して大儲けする外人投資家の話は巧みであった。その投資家は為替で60億円を儲けたが問題は換金であった。硬貨は日本に持ち込まないとキャッシュにならない事だった。そこで事件が発覚するのだが、いつ誰が大量の新コインを持ち出したのかは不明に終わった。

処で小さな記事だったが、先日会計検査院が「財務省の保有する金塊129tは多過ぎる」と指摘したのを見た。小説に毒されると、又記念コインでも出すのかな?と思ってしまう。素人には分かりに難いが、コイン発行には大きな理由があるようだ。

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