そんな「権力と女」の風土を理解する上で、最高の本は「毛沢東の私生活(The Private Life Of Chairman MAO)」である。著者は毛沢東に長年付き添った主治医である。発刊されて間もなく、著者はNYのホテルの風呂で死亡しているのが発見された。正に命懸けで公表した毛沢東の私生活であったが、歴史書としても大変面白い一冊だった。
その本の中に、毛沢東が多くの若い女性を自宅に招聘する様子が赤裸々に出て来る。呼ばれた田舎の娘たちも、雲の上の人に会って天にも昇る気持ちになったようだ。勿論妻の江青はそれを知っていた。ただ彼女は自身の政治的立場を堅固にする為に我慢したので、葛藤した様子も描かれていた。
そう考えると、一連のスキャンダルは毛沢東の影響を受けている気がする。毎日毛思想ばかり勉強していると、その私生活まで真似するのは自然の流れである。「権力を掴めば自由な女性関係が許される」という毛の生き方は、今更誰も否定する事が出来ないだろう。だから今でもそしてこれからもずっと、中国社会の風土文化として残るのである。
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