今のガリポリはイスタンブールからのツアーも出ている一大観光地のようだ。オスマン帝国はあまり関心がないので行く事もないだろうが、戦争が終わった頃は遺骨収集が続いたので立ち入り禁止区域だった。映画でもその様子が描かれていて、時間の経過を感じるのであった。
Monday, 11 October 2021
ガリポリの映画
そのガリポリを舞台にした映画「The Water Diviner」は中々いい作品である。オーストラリア人の父親が、ガリポリで戦死したとされる息子を探しに行く話である。ラッセル・クロウ演じる父親は、2人の息子が死亡した場所を発見し、残された最後の一人も生存している事を遂に突き止めるのであった。タイトルの意味は「占い棒で地下水脈を探す人」である。その直感を頼りに息子を探すのであるが、改めて親の愛の深さに触れたのである。生きていた息子は、兄弟を失った自責の念からずっと現地に留まっていた。日本人も「ビルマの竪琴」のような人も多かったから、戦争を境に人生が変わるのは万国共通のようだ。
映画に出て来るオスマン(今のトルコ)人は薄汚く野蛮に見えた。着ている制服は野暮だし、口ひげは不潔な感じがしてアラビアのロレンスに出て来た男色を連想してしまう。確かに夜寝ていると突然コーランが鳴り響くお国柄は、以前イスタンブールに行った時にも感じたがやはり我々からみても異文化である。ところが今度は同じガリポリをテーマにしてトルコが作った映画「The Battle Of Ocean」を見ると、事態は全く反対に映るから分からない。オスマンにとっては正に自国防衛戦で、遥々やって来た連合国は侵略者に思えてくる。終わってみればどちらも多くの家族を失った現実だけが残る事を思うと、やはり戦争は空しいの一言だ。
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