Wednesday, 1 September 2021

アフガンは遠い国

アフガニスタンから米軍が撤退した。カブール空港に押し寄せる群衆を見て、切羽詰まった緊張感が伝わってきた。各国の救援機の中に日本の自衛隊機も行ったが、結局まだ500人もの日本人が取り残されていると聞き心配だ。それにしてもイランやかつてのベトナムもそうだが、米軍の撤退には多くの人の命が掛かっている。

そんな事を友人のМさんと話していると、「タリバンは怖いよな!後藤健二さん殺害の時のオレンジ服が忘れられないよ!」と言うので、「それってイスラム国(IS)じゃないの?」「そっかー!でもオサマ・ビン・ラディンも死んだし、今は誰が指導者なのだろう?」「オサマはアルカイダじゃなかったけ?」と話がかみ合わない。そもそもタリバンとIS、アルカイダの違いもよく分からないし、アフガニスタンの国が地図上どこにあるか聞かれても答えられない。 

恥ずかしながらアフガニスタンと聞いて思い浮かべるのは、ランボーの映画「怒りのアフガン」である。でもあの時はソ連相手に戦っていたからちょっと今とは違う。最近では「ホースソルジャー」やビンラディン暗殺を扱った「ゼロ・ダーク・サーティー」も見たが、所詮は娯楽映画である。砂漠の中で髭を蓄えた男たちは元来悪役で、どうして戦っているのか考えた事もなかった。アフガニスタンが少し身近になったのは、医師の中村哲さんが殺害された時であった。テレビで特集が組まれて故人を偲んでいたが、中村さんが「タリバンは何でも壊してしまうんです。願いは一日三度の食事を取れる事です」と嘆いていた言葉が耳に残っている。相変わらず遠い国には変わりないが、これから新たな国作りが始まるしタリバンとて所詮同じ人間である。未知の国を知るにはいい機会だ。

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