Saturday, 5 June 2021

クロアチアのアドリア海

朝起きると、昨日のローランギャロス2回戦のビデオを放映していた。フェデラーとクロアチアのチリッチの好カードである。フェデラーにとっては怪我からの復帰戦になるのでどうなるかと心配していたが、動きも良く快勝した。両者の対決は2017年のウィンブルドン決勝以来である。あの時は途中でチリッチが足に豆を作り、ドクターを呼んで治療していた。彼はベンチで「こんな大事な時に・・・」と、涙を流していたのが印象的だった。

その対戦をたまたま旅行中のクロアチアで観た。リエカという港町のパブだったか、日曜日の午後で客は少なかった。地元のヒーローが決勝に残ったのでさぞかし盛り上がると思いきや、テレビを見ている人は疎らだった。思わず「おい、地元のチリッチが出ているぞ!」と言っても殆ど反応がない。仕方がないので一人で盛り上がった記憶がある。 

その日はアドリア海に面した小さな漁村を発った。前夜に飲んだワインがまだ頭に残っていたか、泊まった宿はそのレストランの2階で、主人に代金を払い鍵を返さねばならなかった。ところが日曜日の朝という事もあり、店は静まり帰っていて出て来る気配はなかった。どうしたものかと困っていると、水着姿の可愛い少女がやってきて「どうしたの?」と声を掛けてくれた。事情を話すと主人は別の処に住んでいる事が分かった。結局部屋に戻って手紙とお金を置いて出たが不安は残った。眩い太陽とどこまでも続くアドリア海、対岸の島がアラビアの砂丘のようで、その褐色がアドリア海の青と相まってそれは美しかった。

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