Wednesday, 16 June 2021

愛犬の死と原発

愛犬が死んでひと月が経った。相棒が居なくなり急に心細くなった。近所の人気者だった。日中は柵の下から道路の方に足を出していた。そうすると通行人が気が付いて頭を撫て貰えた。小さな子供も「ワンワンがいた!」と寄って来た。最後は水も飲まなくなり、気が付くと息が途絶えた。未だ8歳だったので早かった。ゴールデンレトリバーは10-12年というのに・・・。死因は内臓に問題があったようだ。今から思えば癌だったかも知れない。

その犬が生まれたのは2011年7月の福島だった。知り合いのブリーダーを介してタダみたいな値段で譲ってもらった。当時は東北の震災の直後だったので、引き合いが無かったのだろうと思った。しかしこうして身近の死と向かい合うと、改めて放射能と癌の関係について考えない訳には行かなくなった。放射能は細胞の増殖を阻害すると言う。だから子供ほどその影響が出るようだ。愛犬も知らない内に蝕まれていたのだろうか?  そんな事もあって最近は原発の本ばかり読んでいる。

小出裕章で原子力の基礎を、広瀬隆で今に至るこの世界の歴史を習っている。始めは炭素記号や専門用語に拒否反応が出たが、何冊か消化して行く内にそれもなくなって来た。ただ知れば知る程、無力感に包まれて行くのはどうしてなのだろう?昨日は東電の所長だった吉田昌郎の戦いを描いた門田隆将の小説を読んだ。映画の「チャイナ・シンドローム」のような現場の凄さは、正に百聞は一見にしかずであった。小泉さんではないが、原発は「安全でコストが安くクリーンは全くのウソ」はその通りである問題は「それでどうする?」になる。

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