Thursday, 10 June 2021

人種偏見

アメリカでアジア人の差別がエスカレートしている。路上で突然襲われたりするからおちおち旅も出来ない時代になってきた。トランプ元大統領のエキセントリックな発言が分断を呼んだのか、将又中国の脅威の裏返しなのか分からないが、それにしても恐ろしい世の中である。

人種の偏見は人の心に潜むから根は深い。先日も知人が賃貸でアパートを貸しに出した所、アフリカ人が借りたいと名乗り出たという。信用調査はクリアし一見問題なさそうだったが、やはり契約の段階になると躊躇したようだ。普段気が付かなかった人種への偏見が、思わぬ所で顔を出した。 

いくら気を付けても、他人の偏見に触ってしまうこともある。欧州史の権威で元一ツ橋大学長の阿部謹也氏が、「物語ドイツの歴史」の冒頭でその失敗談を語っていた。それはドイツのレストランで働く女性に、「あなたはポーランド人?」と聞いた途端に不機嫌になってしまったという件である。以前仕事で知り合ったドイツ人も同じような事を言っていたので、これは良く分った。彼はドイツのTVコマーシャルで、ドイツ人の旅行者がポーランドの田舎で車を止めて用を足して戻ると、車が盗まれていたというエピソードを語っていた。その時は、日本でも戦後にモノが無くなると、韓国人の仕業にする風潮があった話で盛り上がった記憶がある。洋の東西を問わず、隣国には厳しいのは万国共通である。日本人も影では黄色い猿と言われている。この手の類には上手く付き合うしかない。

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