Friday, 7 May 2021

原発と天の裁き

先ごろ東芝が、CVCの買収提案を巡って社長が辞任する事態になった。粉飾事件から回復している最中だがまだまだ道険しの感がした。嘗ての名門企業をここまで貶めたのは原発である。東芝はGEの沸騰水型原子炉(BWR)を推し進め、三菱重工が窓口となったウェスティングハウスの加圧水型原子炉(PWR)と対抗していた。ところがPWRが世界の主流となるや、一転して競合先のウェスティングハウスを買収する事にした。しかも買収金は市場の3倍の6000億円強、それがケチの付く始まりだった。

この話は、暫く前にベストセラーになった小出裕章氏の「原発のウソ」にでていた。原発への過信は時として天の裁きを受けるのではないか?それは福島事故の時に直感した。いい例がソ連崩壊となったチェルノブイイの事故である。東芝もその轍を踏んでしまったのか?原発輸出を巡っては日立の英国や三菱重工のトルコ始め、リトアニア、ベトナムでも苦戦を強いられている。今更ながら自国で散々痛い目に遭っているのに、それを輸出の目玉にする事自体ナンセンスだったのではないか。

その本の中に原発冷却水の海洋放出の話があった。一般には人体等に影響はないので各国が行なっている処理だが、その量は年間で1000億トンという。日本の川の水量が全体で4000億トンというからその量に驚いた。海に出た時には7度の湯になるそうで、この海温の上昇が魚に影響しない訳はない。昨年来サンマの漁獲が激減しているが、日本列島に寄って来ない事が原因という。マスコミなどは中国漁船が乱獲していると言っていたが、本当にそれだけなのか?原発については日頃あまり考えないようにしている。気にすれば心配で何も出来なくなるからだ。しかしそれもそろそろ限界に来ようとしている。

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