Sunday, 4 April 2021

不快な車内アナウンス

感染対策の一環で、飲食店がBGMの音量を下げ始めたという。人の会話も控え目になり飛沫の量も少なくなるから、とてもいい試みだと思っている。予てから都会の人工的な騒音には辟易している者にとっては嬉しい限りである。この際、飲食店のみならず公共の場で適用をドンドン進めて欲しいものである。その最たるものが電車の車内アナウンスである。

電車に乗るたびに、「次の駅〇〇です」というアナウンスに、「知っているよ!煩いなあ」と心の中で叫んでいる。毎日通勤通学で使っているから子供でも分かるのに、どうして誰も煩いと思わなのだろうと不思議である。それもボリュームは大きいし、最近ではコロナ感染の蘊蓄まで加わったので放送は一層長くなっている。車内だけでなく到着駅も同じだ。「〇〇駅です。お降りの方はお忘れ物ないように・・」は、昔東北からの長旅で上野駅に着いた人に使うフレーズである。例え京王線の終着は新宿であるが、押し出される人の中にここが新宿かどうか疑う人は皆無なのに。新幹線はもっと酷い。駅に止まる毎に行先と停車駅のアナウンスを繰り返して、それも日本語と英語で2回聞かされる。呪文のようで、本を読んでいる本当に不愉快になる。 

そんな事を感じるのは、ヨーロッパの鉄道に乗ってからである。駅や車内のアナウンスが殆どなく、電車は駅にスッと入ってきて、いつの間にかドアが閉まり出発する。車内放送も最低限で、その静かな環境はとても快適であった。中でもドイツやスウェーデンは素晴らしく、フランスのTGVも静かだった。ロンドンの地下鉄はMind the gap!(足元に注意)を繰り返すので少し騒々しかったが、郊外の電車はやはり静かだった。静けさを知ると、その国の民度と成熟度に辿り着く。たかがスイッチを切ればいい話である。早くこの事に気付いて欲しいと心から思っている。

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