Monday, 19 April 2021

バルト海の魚

政府はいよいよ、福島第一原発の汚染水を海洋放出するようだ。いつまでもタンクに貯めておく訳にも行かないのだろう。安全性については国を信じるしかないが、本当に飲んでも大丈夫なのだろうか?やはり不安は尽きない。

思い出すのはバルト海の魚である。バルト海は飛行機で空から見るとよく分かるのだが、赤潮で海が真っ赤に染まっている。プランクトンが大量に発生しているからで、赤い絵の具を流した光景が広がっている。それもあってか冬でも海が凍る事がないので、ロシアは昔ここにバルチック艦隊の軍港を造ったくらいである。魚の生息も当然少ない。加えて工業汚染も囁かれている。中でも1986年に起きたチェルノブイユの原発事故の汚染水が、今でも川を伝ってバルト海に注がれる噂は尽きない。これも本当かどうか素人には分からないが、色々な人が言っていた。 

だから人々はバルト海で泳ぐことはしないし、バルト海の魚も食べない。もともとゲルマン系の人は魚を食べる習慣がない事もあるが、市場に並んでいるのは北海で捕れるタラやサケである。ただニシンやマスなどの川魚は食べる。こちらは市場に大きな水槽を乗せたトラックがやって来て売っていた。福島沖の魚は食べない風評も心配だし、原子力と付き合うのは本当に悩ましい。

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