先日、スエズ運河で日本のコンテナ船が座礁した。水路は通行止めになり、石油の価格が一時大幅に上昇したと言う。本物を見た事はないが、写真で見ると本当に狭いことが分かる。昔に映画「アラビアのロレンス」で砂漠の先に突然船が現れるシーンがあったが、誠に不思議な光景であった。
そのスエズ運河だが、D.ウィルソン著「ロスチャイルド、権力と富の物語」の中に当時の様子が良く書かれていた。時は1875年、オスマントルコがヨーロッパの病人と呼ばれ衰退の一途を辿っていた頃で、傘下のエジプトはスエズ運河の資金繰りに窮していた。それを救ったのが英国であった。英国はロスチャイルドから即金で4百万ポンドの拠出を仰ぎ、44%の経営権を握ってフランスと並ぶ大株主なったのであった。一方で議会を通さない手法は後に国内から非難されたが、ロスチャイルドの大きさを象徴する出来事だった。
ロレンスがアラビア半島に派遣されたのも、そのスエズ運河の防衛が重要な任務だった。反オスマンの首領を集めてアカバ港への奇襲や、灼熱砂漠をラクダで渡るシーンは何度見ても感動的だった。オスマン軍に捕らえられ男色の屈辱を受けた事で人が変わり、後に残虐になった件も心に残った。ちょうどDVDが出始めた頃で、会社で英語学習と称して無料貸与され何度も見させて貰った。
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