ドキュメントを見た方も多いと思うが、寧夏省の回教自治区に住む農民の話であった。それはある時村に役人がやってきて、「近くの銀川市に集団移住する事になった」と言われる。新しい家には水道やヒーターも付いている夢のような話であった。農民は選択の余地がないまま移住を決断して村を出た。ところが教育・技能のない農民にとって、都会で仕事に就くには至難の業で生活は直ぐに困窮した。元農民は「本当にそれで良かったのか?」と自問するが、元の家は取り壊されて帰るに帰れない処で放送は終わった。
共産党による移住の名目は貧困の撲滅であった。同じ回教徒のウイグル自治区でも集団移住があると聞いていたので、貧困撲滅は少数民族の土地を取得するキーワードなのだろうか?共産党員が諭す口調はソフトだが、従わなかった場合は孤立=死を意味するから実態は強制である。そのアメとムチの使い分けが共産党らしく不気味だった。移住した元農民には念願の都市戸籍が与えられた。それを受け取った人々の喜びが目に焼き付いた。普段NHKを殆ど見ないので、“料金を取るのはけしからん!“と思っているが、こんな番組なら少し許せた。
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