その東京裁判だが、改めてこうして読み直してみても、裁判とは名ばかりの制裁にしか思えない。明治から正当な過程を経て得た満洲から撤退しろというのは、やはり理不尽な要求であった。あの時開戦以外に選択肢はあったのだろうか?今でもその疑問は解けない。つくづく江戸末期の開国から始まり、欧米諸国に翻弄された日本の運命を痛々しく思えてくる。その裁判では「忌避の申し立て」という件があった。あまり聞き慣れない言葉だったが、中立性を欠く場合に使われるようだ。清瀬という日本の弁護人が「裁判長のウエッブ卿がニューギニアの日本軍不法行為を調査した」事を理由にそれを申し立てた。当時の置かれた状況の中で、中々気骨のある人がいたと感動した。
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