Monday, 16 November 2020

便利なAirbnb

竹中平蔵氏の「この制御不能な時代を生き抜く経済学」は、相変わらず歯切れのいい本だ。聞いていて成程と思う話が多い。例えば相続税は二重課税と言う。確かに生前に一度課税されているので、氏の言う通り憲法違反の可能性もある。イタリアやシンガポールなど相続税がない国は多いし、アメリカも基礎控除が12億円というから殆どないに等しい。また外国人旅行者を充て込んだ民泊が始まったが、旅行業界への配慮で、年間の日数規制が出来た。本来は自分の家をどう使うかは家主の自由だから、確かに変な制約だ。

本は2年前に出版されたが、その後実用化された案件も多く、世の中が凄いスピードで進んでいる事に気付く。例えばUber Taxiである。まだ使った事はないが、2年前は竹中さんも日本のアプリが入ってなかったので(海外で)使えなかったようだ。またAirbnd(Air B&B)の民宿システムも始まった。今年に始め、オーストラリアに行った時、このAirbnbを使ってその便利さを知った。使い方は極めて簡単で、サイトの写真を見て、ロケーションとコストを考えて選ぶのだが、日程と宿泊人数をオーナーに連絡すると、直ぐに返事が来た。そして「何時何時までに宿泊代金を払って欲しい」と聞いて来る。今回使った部屋は2LDKで、綺麗なダブルベットとクーラーがあり、キッチン、大きなソファーも付いて一泊4000円程度だった。ホテルに泊まる事を考えると1/2~1/3程度で済んで助かった。おまけに共用スペースはシェアするので、思わぬ出会いにも恵まれたり、すっかり気に入った。 

その他、ナショナルフラッグの競争にはANA とJALの統合がいいと言う。確かにスウェーデンのSaabは破産し、Volvoは中国の吉利に売却した事を思うと、不採算な準国営企業を持ち続けるのは国民経済的にも問題なのかも知れない。ただ氏は兎角アメリカ的な強者の論理で、弱者と言われる非正規社員を生んだ権化の印象もあるから鵜呑みには出来ないが、昔から今日まで第一線を歩いている人だけに、その知識と情報の豊かさには感心する。

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