Monday, 7 September 2020

故Tさんへの優勝報告

先々月、所属しているゴルフ倶楽部の大会で優勝した。ハンディキャップを沢山貰ったこともあったが、一緒に回った旧知のHさんのアドヴァイスが良かった。前半の9ホールを44で回ると、「ここから気を抜かないで!」と背中を押してくれたのが功を奏した。テニス大会で優勝したことはあっても、ゴルフの優勝は初めてだったので嬉しかった。暫くして届いたネーム入りのカップは、書棚に飾って毎日眺めている。

ところでその時に使ったのがODAのパターだった。彼是10年以上前になるだろうか、お向かいのTさんが亡くなった時に奥さんから頂いた名パターである。Tさんは大会社の元社長さんだった人だが、若い頃から知っていたので「Tさんのおじさん」と呼んでいた。たまたま大学が同じだったこともあり、Tさんも後輩扱いしてくれた。亡くなって暫く経った頃、掃除をしていると奥さんにバッタリ会った。奥さんは遺品の跡片付けが大変だと云う。特に「ゴルフのクラブやボールが沢山あって、子供もやらないので処分しようと思っている」と話す。それを聞いて「捨てるなら頂けますか?」と聞くと喜んでくれた。翌日引き取りに玄関先に行くと、Sヤードのセットと新品のボールが30箱、パターも5本用意されていた。その後、ボールはいつの間にか林に吸い込まれて無くなってしまったが、クラブは重宝してアメリカや豪州の海外コースでも活躍した。

だから、今回の優勝を真っ先に報告したかったのはTさんだった。早速、倶楽部の名前の入った粗品を持ってT邸を訪れ、奥さんに墓前の報告をお願いした。Tさんは社長になっても電車通勤していた。厳つい肩のトレンチコートを着て、足早に歩いていた背中が忘れられない。

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