先日、俳優の伊勢谷友介が大麻所持で逮捕された。相変わらず芸能界の薬物を愛用する人が多いのに驚く。記憶にあるだけでも、ASKAや清原、ピエール、のりピー等々、中々根絶するのは難しいようだ。
アヘンについては、古典と言われる陳舜臣「実録アヘン戦争」に中で、ジャン・コクトーの言葉を何度も引用していた。コクトー曰く、「ケシは気が長い、一度アヘンを飲んだ者は、又飲むはずだとアヘンは待つことを知っている」とか、「アルコールは発狂の発作を誘致するが、アヘンは節制の発作を誘致する」、「アヘンは半夢」とか。アヘンは静かで受動的で妄想的だから、東洋人の気質に合っていると著者も語っていた。確かに中華民族の体質に合っていたのかも知れない。パール・バックの「大地」に出てくるワンルンの世界を思い出した。家の中で朝から吸引する無気力な老人が当時を象徴していた。
そのアヘン戦争のアヘンは、インドのベンガル産が多かったという。それまで英国は清からお茶を輸入する入超だった処から、東インド会社を支えるためにアヘンに手を出したようだ。今から思えばひどい話である。清はアヘンを取り締まろう没収し、それを不服とした英国と戦争になった。最後は賠償で清は倒れるのだが、中国近代化のスタートになったのは皮肉だった。その時の清の皇帝は満洲人で、以来漢族が支配するようになった。
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