Thursday, 20 August 2020

李登輝と客家(ハッカ)

先日、台湾の李登輝元総裁が亡くなった。台湾を長年引っ張ってきた建国の父である。その昔著書の「武士道」を読んだことがあったが、日本人以上に日本的な人だと思った。台湾はある外交官が「骨を埋めてもいい国」と称していたように、日本から見ても親近感のある国だ。その架け橋の代表的な人だっただけに、惜しい人を亡くした。

ところで、そんな彼のルーツは客家(ハッカ)という。客家とはシナの少数民族で、世代に渡って移住を続けた処から”よそ者”の意味もあったという。先の宮脇淳子さんの本にも、その一人である孫文が出てきた。孫文は本土生まれだが、ハワイにいた兄を訪ねる処から海外生活が始まった。日本にも亡命し、その支援を受けて1912年には中華民国を設立するに至った。孫文は英語が上手かったがよそ者だったので、初代大統領は袁世凱に譲ったという。鄧小平も客家の一人という。ただこちらは中枢に上り詰めた。

調べてみると、客家は世界4代移民集団の一つだという。残りは有名なユダヤ人とアルメニア人、そして印僑であった。客家出身にはシンガポールのリークアンユーやタイのタクシンもいるから、今の華僑のルーツなのかも知れない。また印僑はインド系である。クイーンのフレディー・マーキュリーや米国連大使のニッキー・ヘンリーや今回民主党の副大統領候補に指名されたカマラ・ハリスもいた。外の血が混じると人は強くなるいい例であろう。

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