Monday, 6 July 2020

米朝核戦争の本

北朝鮮が南北の連絡事務所を破壊してから3週間が経つ。直ぐにでも戦争が始まるのかと思っていたが、突然静かになってしまった。嵐の前の静けさか、金正恩の健康説も何が起きているのか分からない。

そんな折、ジェフリー・ルイスの2020年米朝核戦争(原題「The 2020 Commission report on the North Korean nuclear attacks against US」)を読んでみた。北が核弾頭を発射し、韓国、日本そしてアメリカのNYやワシントンDCなどにも着弾するというフィクションである。以前、映画「空母いぶき」ではミサイルが発射されると、何発は迎撃されるが全部を落とせない現実を知ってショックだった。この本でも40分足らずでアメリカの東海岸に届き、着弾する筋書きだった。況や日本へはあっという間に飛んでくる。50年代の朝鮮戦争では対岸の火事で漁夫の利を得た日本経済だったが、今の時代ではそんな悠長なことは言っていられない。

本では核の被害の恐ろしさを伝えていた。広島の原爆ドームに取材したのですかと思われる件もあったり、描写がやや稚拙の印象がした。また韓国の反撃が米軍に相談なく単独で決行されたり、米軍の抑止力が機能しなかったり、素人が見ても不自然な箇所が気になった。ともあれ、やはり核弾道は怖いし、登場人物が全て実名で登場するので、日頃馴染みのないヘイリー元国連大使やケリー補佐官など中枢の人も身近になったり、そこそこ楽しめた一冊だった。

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