Tuesday, 21 July 2020

英語を最初に覚えた日本人

以前「ペリー提督日本遠征記」を読んでいたら、森山栄之助という通訳が出てきた。考えてみれば鎖国中の彼が、どうやって英語を覚えたか?オランダ語なら未だしも、考えてみれば不思議である。その謎を追った吉村昭著「海の祭礼」を読んでみた。
 
森山は日本に漂流したマクドナルドというアメリカ人から習って覚えた。マクドナルドは、スコットランド人とインディアンの間に生まれたハーフだった。白人社会で差別を受ける内に、未知の日本への密航を計画し捕鯨船に乗り込み上陸に成功する。ボートは北海道の利尻島に着いたが、鎖国下にて捕らえられ長崎に送られた。そこで森山と出会うのであった。例によって吉村氏のち密な取材には頭が下がる。微に入り細に入りよく調べていた。例えば森山の好んだ芸者を内縁の妻にした話や、英国公使ハリスの世話役を依頼した女に幕府が18両払ったとか。通訳だったヒュースケンにも15歳の世話役がいたようだ。以前、南麻布にある彼の墓を訪れた縁で興味深かった。各国の100を超える捕鯨船が遥々日本の漁場まで来ていたのも驚きだった。
 
マクドナルドは島に上陸すると村民から食べ物を与えられ、宗谷に移される。どこかと思ったら今の稚内だった。魚が美味しそうだし、いつかその利尻島に行ってみたくなった。

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