九州が豪雨で大変な被害が出ている。コロナが終息してきてこれからという時だけに、地元の方々の思いを察すると何とも言葉に出来ない。天災とはいえ、最近の雨量は尋常ではないので防ぎようがないのだろうか?土砂を取り除く一方で、まだまだ雨が降り続く過酷な毎日を遠くで見ながら、何か申し訳ない気になっている。そんなニュースの映像に、大分の天ケ瀬温泉が出てきた。川の土砂が人家に押し寄せ、旅館の主人が溜まった泥を掃除していた。
天ケ瀬温泉は日田の山に囲まれ、玖珠川が流れる保養地である。もう彼是40年以上前になるか、職場の先輩のHさんと泊まりに行った懐かし温泉である。夜二人で食事を終えると、年配の女中が布団を敷きに来た。何を話したか覚えていないが、「今晩誰か世話しようか?」という流れになった。Hさんが関心を誘われて色々聞いている内に、「それは私よ!」と言われて二人で興ざめした記憶がある。さらに翌朝だった。目が覚めて風呂に行くと誰か先に入っていた。見ると年寄りの男に若い女が付いていた。緑に囲まれた露天の風呂で、気が付くと三人が一緒することになった。老人は悪びれる事もなく、若い女も雑談を始めて打ち解けた雰囲気になった。たたそうは言っても、見知らぬ裸の女を前に次第に落ち着かない気分になってきた。そのうちHさんも入ってきた。男三人が女を囲み、何とも不可解取り合わせになり、出るに出れずに困った。
川端康成の伊豆の踊子でも同じ様なシーンがあったが、兎角田舎の温泉にはサプライズが付き物である。特に当時の天ケ瀬温泉は、湯治場の風情が残る田舎そのもので良かった。ひょんな事で昔を思い出した。
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